ラウンドローバーMGF 鍵の製作

ローバー MGF 平成9年式
 
今回、沖縄県うるま市の一軒家から外車の鍵をなくしたので製作して欲しいと依頼を受けました。
 
ラウンドローバー(ROUND ROVER)MGFの平成9年式になります。
 
ラウンドローバーの鍵製作は初めてになります。
 
しかも、特殊な鍵の入荷には時間がかかります。
 
入荷に3日ほどかかりましたが、お客さん了承の元で鍵の製作開始です。
MGF カギ穴の形状
 
始めに段差を読む為、鍵穴にピッキングをするのですが・・・。
 
テンションがかからない形状で覗きによるピッキングが出来ない事が判明しました。
 
ピッキング車用のテンションは10種類以上持ってますが、すべてのテンションでかける事ができない。
 
初めてのローバーなのにスタート位置にすら立てない状態。
 
再度、ピッキングを試してみるものの、鍵穴のシャッターが邪魔をしてピン数は確認できてもピッキングによる段差が読めません。
 
更に色々と試してみます。
 
ホーム用テンションをガムテープで固定。
 
人にテンションを持ってもらう。
 
1時間以上、試したあげぐ無理だと判断してナンバーで作成しようとしたのですが、シリンダーに刻印はありませんでした。
 
そこで、インプレッション(鍵の傷を見て作る方法)で失敗の連続、タンクは回りますがエンジンやドアなどは開きません。
 
ふと、あきらめかけた時にお客様から電話がありました。
 
時間がかかってる訳を説明しすると、他の鍵屋さんのブログを見ていたらしく、内地の鍵屋さんはどうやらタンクやトランクなどから作ってるみたいとアドバイスをしてくれました。
MGFタンクのふた
 
そのアドバイス通りにタンクを見てみると鍵穴にテンションがかかります。
 
しかし、右に回そうとすると外れてしまします。
 
でも、ドアに比べれば数倍やりやすいです。
 
次にマジックで鍵を赤色に塗りタンクからピッチ取りをします。
 
鍵に色をつけるのは、色を付けた方が見やすいからです。
 
ピンに鍵が触れると傷として残ります。
 
この傷跡をみて幅を調べます。
 
あと何本ピンが入っているか?とか何番目からスタートしてるのか?を確認する為です。

鍵屋さん向けの情報を公開します

鍵の設計図
 
例題コードで説明してます。(お客様の車の設計図ではありません)
 
幅を調べたら、次はピンの高さを調べます。(段差を調べます)
 
ドアは10ピンなのでピッキングでは無理です。(専用テンション必要)
 
トランクも10ピンなのでピッキングでは無理です。(専用テンション必要)
 
イグニッションも10ピンなので当然無理です。(リスクが高すぎます)
 
但し、ホーム用のテンションでガリガリするなら可能性もあります。
 
私は開けきれなかったです。
 
タンクは8本ピンなのでどうにかピッキングで行けます。
 
ピッチ幅は変則で1番~8番。
 
シークレットピンは9番と10番でした。
 
段差は5.7=6でも行けると思います。
 
鍵屋さんならここで気づいたと思いますが、タンクの回る鍵はできます。
 
しかし、後2ピンを追加しないとドアとイグニッションの鍵は回りません。
 
残り2ピンなので16通りを試せばドアやイグニッションは回るはずです。
 
さらに絞り込む為にH,Lを試しますがこの法則には当てはまりません。
 
今までの経験と勘を頼ったら、2回目で鍵を製作することができました。
 
因みにM番で代用できないか探した所、M348で代用できます。
 
少し加工が必要ですが代用できます!

MGFセキュリティの解除の仕方

鍵は完成したのですが、肝心のエンジンかかりません。
 
もしかして、イモビライザー?
 
しかし、お客様は自分の車がイモビライザーではなく、イモビライザーモドキだと分かってました。
MGFのセキュリティー開錠の方法
 
セキュリティの解除方法は、セキュリティーコード4ケタを元にドアのカギを右に数回、左に数回、回して解除するとエンジンがかかるようです。
 
しかし、現場で試してみるものの解除できませんでした。
 
セキリティーコードは合っているはずだけど・・。
 
お客様が言うには、前にも同じ症状が出たらしく自分で解除したらしいですが出来ない時もあったそうです。
 
そこで知り合いの電装屋さんに聞いた所、配線を細工する事によりエンジンがかかるようになるそうです。
 
基本的に鍵を作ってもリモコンキーでロックした場合、セキリテェーコードがないとエンジンがかからない構造になってるようです。
 
年式が古くてもあなどれないのが外車の特徴です。

GM ROVERはとにかくお金がかかる

GM ROVERのブランドであるお客様のお車ですが、2006年に事実上、会社はなくなりました。
 
倒産してるという事は、部品の供給がないということになります。
 
現在、ローバーのブレーキ―パットを替えるだけで、前輪2か所が工賃込み4万円。
 
更に会社が倒産する前は2万円前後で買えた部品が会社の倒産をきっかけに8万円まで値上がり。
 
また、今回の依頼車はエアサスが弱く定期的にエアーを入れないと走行に支障をきたすようです。
 
その為、エアーを注入する道具を海外から16万円で輸入して使用してるそうです。
 
すでに30万近く修理費につぎ込んだらしく、修理代が40万円に達成したら、新しい車を買うと言ってました。
 
しかし、人間の心理的にここまで来たら買わないと思います。
 
車の性能とかの問題ではなく恐らく車への愛着だと私は思います。
 
昔、外車の愛好者に言われた言葉があります。
 
下手な女より金がかかる俺の車(彼女)!!
 
名言だと思いませんか?(笑)
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